患者の会
乳がんの「患者の会」は乳がんの患者さんや乳がん体験者、またその家族や医療関係者などの集まりです。体験者らと慰め励まし合うことにより、これからの人生を前向きに生きる励みになります。
告知を受ける際の心の準備
告知を受ける時は、なかなか平常心でいられるものではありません。しかし、病気と治療方針を十分に理解できるように医師の話はじっくり聞くようにしましょう。また、分からないことや疑問に思ったことは遠慮なく質問しましょう。事前に質問事項をメモしておくとよいでしょう。
痛みの緩和
痛みの緩和には主に「鎮痛剤」を使います。鎮痛剤で痛みを軽減できない場合は「放射線療法」や麻酔をかけて痛みを軽減する「神経ブロック」を行うこともあります。しかし放射線療法の場合、効果が現れるまでに数日かかります。
仕事復帰
退院後、多くの女性が仕事復帰しています。中には化学療法や放射線療法を続けながら復帰している人もいますが、体力的に無理がある場合は、完全に回復するまで仕事の復帰は待ちましょう。
仕事復帰後、もし癌になったことで不当な差別を受けることがあれば、必要に応じて役所の法律相談窓口に相談しましょう。
ストレスの解消
ストレスは乳がんの発症のリスクを高めると言われます。実際、乳がんの患者さんは、まじめで責任感が強い人や神経質な人が多いです。
ストレスを溜めないようにするために、スポーツをするなどをして息抜きをするようにしましょう。
再発の確率
手術を受けた後に再発や遠隔転移をすることがあります。実際に乳がんの手術を受けた人のうち約30〜35%の人が再発しています。乳がんは全身疾患であるため、再発の可能性が消えることはありません。かけがえのないない大切な命を守るために、退院後定期検診を欠かさず受け、乳房の自己検診を続けましょう。
乳房再建の方法
移植した皮膚に血液が十分に流れるように、筋肉の中の血管を保存したまま皮膚・筋肉・脂肪を一緒に乳房に移動し固定します。妊娠出産の希望などによって体のどの部分を使うかは異なります。乳輪や乳頭は別の組織を用いて作ります。
経過観察
早期乳がんの患者さんのほとんどは完治することができます。しかし、退院後経過観察を続けることがとても大切です。定期検診を欠かさず受け、自己検診を続けることにより、再発の兆候により早く気づくことができます。
患者が治療法を選ぶ時代
癌と診断されたら、もう一つ大きな病院で診てもらう事が大切です。病院によって治療法も異なり、またどの医師にかかるかで生死が分かれます。
医療機関、医師選びは慎重に行いましょう。
肥満を防ぐ
皮下脂肪の多い女性は、痩せた女性よりもエストロゲンが作られやすいため乳がんの発症率が高くなります。食生活を見直し、肥満を防ぐように心掛けましょう。
また、乳房の自己検診と定期検診を受けるようにしましょう。
再発・進行乳がんに対する抗癌剤治療
進行・再発乳がんに対して初めて抗癌剤治療を行う場合は、高い治療効果が期待できますが、2、3度目になると癌細胞が抵抗を示すようになるため、治療効果が期待できなくなります。よって進行・再発乳がんに対して抗癌剤治療を行う場合は、最初から強力な薬剤を使うのが効果的とされています。
補正具選び
補正具を購入する際は、医療施設やメーカーなどに相談して自分に合った補正具を選びましょう。メーカーによっては相談窓口を設けているところもありますし、またインターネットで補正具に関する情報を得ることもできます。
野菜の摂取
野菜には癌の予防に効果のある食物繊維、カリウム、抗酸化ビタミンなどの栄養素が豊富に含まれています。普段の食生活で野菜をたくさん食べるように心掛けましょう。
サプリメントの摂りすぎは食欲不振や抜け毛などを起こすので気をつけましょう。
タモキシフェン
タモキシフェン(抗エストロゲン剤)は、乳がん細胞を抑制する薬剤で乳がん治療に使われます。しかしこの薬剤は、子宮で癌細胞を増殖させる働きをするため子宮体がんの発症率を高めます。
主な副作用は吐き気、熱感、帯下などです。
皮下全乳腺切除術
皮下全乳腺切除手術は腫瘍を含んだ乳腺全てを取り除く手術です。ただし、乳頭・乳輪は残ります。この手術は、腫瘍が大きい場合や、乳房内に癌が広がっていたり、腫瘍がいくつもある場合などに行われます。
乳がんの主な症状
乳がんの最も重要な症状は乳房のしこりです。その他、乳房が腫れたり、部分的に赤みを帯びたり、乳房がただれるなどの症状が出ます。気になる症状があったら悩んだり迷ったりせずに早急に検査を受けましょう。
乳がんの種類と割合
乳がんは乳管の上皮細胞から発生する乳管癌と腺房から発生する小葉癌の2つに分けることができます。発生の割合は乳管癌が約90%、残りの約10%は小葉癌と特殊型乳がんが占め、乳管癌の割合が圧倒的に高いです。
リュープリンSR(酢酸リュープロレリン)
前立腺癌の治療に使われていた「リュープリンSR」が、閉経前乳がんに対しても適応されるようになりました。この薬剤は12週間持続する徐放性製剤です。閉経前の患者さんは4週間に1回から12週間に1回に投与回数が減少するため、精神的負担が軽減され、QOLの向上にもつながります。
食品・サプリメント
食品やサプリメントには乳腺に悪影響を与えるものがあります。喫煙、アルコール、ホルモン補充療法などは悪影響を与えますので控えるようにしましょう。大豆イソフラボン、葉酸などは乳腺に良いですが、サプリメントの摂り過ぎは逆効果ですので摂取量に気をつけましょう。
家族性乳がん
乳がんの家族歴がある場合は乳がんリスクが高く、特に母親が40歳以前に乳がんにかかった方の発症率が高いです。家族や近親者に乳がん歴がある場合は特に注意が必要です。自己検診や定期検診を積極的に受けるようにしましょう。
リンパ浮腫
乳がんの手術をする際に、リンパ節郭清を行った場合、リンパの流れが遮られリンパ浮腫が起こります。リンパ浮腫は手術後早いうちから積極的にリハビリを行うことにより予防できます。退院後も、腕や肩の動きを良くしリンパ浮腫予防に努めましょう。
乳がんの治療計画
腫瘍の大きさやエストロゲン受容体の有無、リンパ節転移の有無、年齢、癌の悪性度などを目安にし、さらに患者さんの意思や価値観を考慮しながら治療計画が立てられます。
一人ひとりに適切な治療計画が立てられ治療が行われます。
非浸潤乳がん
癌細胞が乳管や小葉の中に留まっているものを非浸潤乳がんと言います。この非浸潤乳がんは乳腺を切除すれば完治の可能性が高いです。以前は全切除が一般的でしたが、最近は乳房温存手術も行われるようになりました。
放射線療法による晩期障害
まれに放射線療法後数ヶ月から数年経って、肺炎や肺線維症、上肢の浮腫、肋骨骨折などの副作用の症状が出る人がいます。ほとんどの場合、大事に至ることなく治ります。
アロマセラピー
アロマセラピーは気分が落ち込んだ時や、ホルモンのバランスが崩れた時などに気分をリラックスさせてくれる効果があります。ただし、化学療法中は使用を避けなければなりません。また、エストロゲンの様な作用をもつ精油もあるため気をつける必要があります。
抗エストロゲン剤
エストロゲンは乳がん細胞にあるエストロゲンレセプター(エストロゲン受容体)と結合して、乳がん細胞の増殖を促進させます。抗エストロゲン剤はエストロゲンとエストロゲンレセプターとの結合を阻止し、癌細胞の増殖を防ぎます。
扇状部分切除術
乳房温存手術の手術法の一つに、「扇状部分切除術」があります。この手術は乳房温存手術の中では切除範囲が最も大きく、4分の1程の切除になります。切除範囲が広いため、癌を取り残す可能性は他の乳房温存手術と比較して少ないですが、乳房の形が変わってしまします。
乳房再建術後のケア
再建した乳房は神経が戻っていないため、熱さや痛みなどの感覚がほとんどありません。触れても感覚がないため、傷ついてもすぐには気づかないことがあります。けがや火傷をしないように気を付けましょう。
局所進行乳がんと放射線療法
局所進行乳がんで乳房切除手術ができない場合は放射線療法が行われます。一般的にホルモン療法や化学療法が併用されます。手術ができないほど進行した乳がんは、転移の確立も高く完治は難しいです。しかし、放射線療法により症状は改善されます。
ハーセプチン
ハーセプチンは癌細胞にHER2タンパク質が多く出ている人や、転移性乳がんに効果が期待できる新薬です。また、副作用も少ないです。
ハーセプチンは単独で使用する場合と、他の抗癌剤を併用する場合があります。
統合医療を行うに当たっての心得
統合医療を行うときは、まず統合医療の専門家の説明を聞き、それに基づいて主治医に相談しましょう。しかし、統合医療を行うかどうかを決めるのも、どの統合医療を実行するかを決めるのもすべて患者さん自身です。
家事によるリハビリ
家事を行うと腕や肩を動かすため筋力が回復し、リハビリよりも効果が出る場合があります。肩や腕を動かさないと機能が低下するので、リハビリの一環として無理のないペースで家事などを行いましょう。
特に利き手でない方の腕や肩は機能が低下しやすいので、積極的に動かすようにしましょう。
乳房再建術の傷あと
乳房再建術はできるだけ傷あとが残らないように配慮しながら行われますが、完全に傷あとをなくすことはできません。しかし手術後しばらくは傷あとが目立つように思われても、月日の経過と共に目立たなくなります。
ストレスによる免疫機能の低下
悩みやストレスの多い人は免疫機能が低下し、癌に対する抵抗力がなくなります。そのため死亡率が高くなります。夫婦関係などの悩みを抱えている場合は何らかの対策を考え、精神的ストレスを軽減することが大切です。
脳転移の治療法
癌が脳に転移した場合、確立された治療法はなく、進行度や症状に基づいて、手術や化学療法、放射線療法が行われます。しかし化学療法は効果があまり期待できないため、主に手術治療や放射線療法が行われます。脳以外の臓器への転移がある場合は手術治療ができないため、放射線療法が行われます。
乳がんの手術法
以前は乳がんの手術法は乳房の全てを切除するのが基本でした。現在では切除範囲を必要最小限にとどめる手術法が多く実施されています。乳房の切除範囲が小さくなると、患者さんの精神的負担が少なくなり、QOL(生活の質)が高くなります。
タンパク質の摂取
良質タンパク質を意識的に摂るようにしましょう。魚のタンパク質には発癌物質を解毒する働きがあります。また卵は体内で作ることのできない必須アミノ酸が多く含まれる良質のタンパク質です。さらに大豆や牛乳にも良質のタンパク質が多く含まれます。
ハーセプチンの副作用
癌細胞にHER2タンパク質が多い人や、転移性乳がんに効果的なハーセプチンは、正常な細胞にまでダメージを与える抗癌剤と比較すると副作用は少ないです。
ハーセプチンの副作用で最も出やすい症状は発熱です。呼吸器障害が出たり、心臓機能が低下したりすることもあります。
乳房温存療法における放射線療法
乳房温存療法では、乳房温存手術後に放射線療法を行います。放射線療法は、乳房温存手術を行っても、残った乳房に癌細胞が散在している可能性が高いため、その癌細胞を殺傷し再発を予防する目的で行われます。放射線療法を行った場合と行わなかった場合では再発率が違います。
退院後の生活
退院後しばらくは手術の後遺症で日常生活に支障がでますが、あせらずにゆっくりと日常生活を取り戻していくようにしましょう。腕や肩は動かさないと機能が低下するので退院後もリハビリが必要です。
毎日の生活でストレスや疲れをため込まないように気をつけて下さい。
遠隔再発(転移)
乳がんはリンパ節、肺、胸壁、胸膜、骨、脳、肝臓に遠隔再発(転移)しやすいです。初期のうちは自覚症状がなく、定期検診で見つかることが多いです。変わった症状がなくても定期検診はきちんと受けるようにしましょう。
乳がんの予防は不可能
乳がんの疾患者数は年々増加しています。食の欧米化が乳がんに対して大きな影響を与えているのではないかと言われています。しかし、乳がんになるはっきりした原因は分かっていないため、乳がんの予防法も分かっていません。よって、誰が乳がんになっても不思議ではないことを心にとめとておく必要があります。
癌の予防に効く食物繊維
食物繊維は、癌予防に活躍する栄養素です。食物繊維は海藻や野菜、きのこ類、果物などに含まれます。普段の食生活で意識して摂るようにしましょう。
また、食物繊維は肥満や便秘の解消にもなります。
局所進行乳がんに対する放射線療法
局所進行乳がんの場合、可能なら乳房切除術が行われます。さらに乳房切除後、再発防止のために放射線療法を行います。
また、さらに進行した局所進行乳がんの場合は乳房切除ができないため、局所に対する治療は放射線療法のみのとなります。
主治医、医療施設選び
患者さんにとって、良い医師に出会えた場合と、出会えなかった場合では大きな差があり、主治医・医療施設選びはとても重要です。納得のいく医療を受けるために主治医・医療施設選びはきちんと行いましょう。
自己検診
定期的に乳房の自己検診を行っていると、乳房の変化に気づきやすく早期発見につながります。20歳以上の女性は月に一度は自己検診を行い、記録を付けるようにしましょう。乳房の正常な状態を知るために、慣れるまで毎日自己検診をしましょう。
手術前の体操
手術前に、腕の筋力トレーニングや肩・わきなどの上体の体操を行っておくと、手術後の回復が早くなります。また、体操はリラックス効果もありますので、体だけでなく心のコンディションを整えることにも役立ちます。
局所再発の症状
局所再発は乳房温存療法後の場合は乳房内にしこりができ、乳房切除手術後の場合は胸壁の皮膚に小さいしこりができます。
局所再発は、症状がないことが多いですが、腫瘍が大きくなると、痛みを感じることがあります。また皮膚にできた腫瘍は出血することもあります。
乳がんの手術法
乳がんの手術は、しこりを含む乳腺の一部を取り除く「乳房温存手術」と乳房全部を取り除く「乳房切除術」とに分けられます。
どちらの方法でも、基本的に、腋の下のリンパ節は切除されます。
退院後のリハビリテーション
退院後も体の状態をみながら腕の筋力トレーニングや、胸のストレッチ体操などのリハビリを続けましょう。ウォーキングや自転車こぎ、ハーフスクワットなどで全身の持久力もつけましょう。
お酒とたばこ
アルコールは適量であれば体によいですが、限度を超えると癌のリスクを高めます。また、たばこも発癌性があり、たばこの場合は本人のみならず、煙を吸った周りの人の癌のリスクをも高めます。
アルコールの摂取を控え、たばこを吸わないようにし癌予防に努めましょう。
適度な運動
体調を見ながら、無理をしない程度に運動をしましょう。運動はリフレッシュ効果もあり、リハビリにもなります。
運動中は水分を補給しのどが渇かないようにしましょう。屋外でスポーツをする時は、日焼け止め対策も忘れないようにしましょう。
ティッシュ・エクスパンダーを利用する乳房再建術
皮膚にあまりゆとりがなくて生理食塩水バッグを挿入できない場合は、ティッシュ・エクスパンダーという袋を挿入して皮膚を伸ばします。皮膚が伸びてゆとりができたら、生理食塩水バッグに入れ替えます。 この方法は、他の再建術に比べて、手術時間も短く、術後の痛みも少ないです。
自動車、自転車の運転
車を運転する際は、長時間運転は避けましょう。長時間同じ姿勢をとると、リンパ浮腫を起こす可能性があります。自転車に乗る際は、重い荷物は前かごに載せないようにしましょう。また、車を運転する時も、自転車に乗る時も日焼けには十分注意しましょう。
リンパ浮腫
わきの下のリンパ節を切除(リンパ節郭清)することでリンパ管が切断され、リンパの流れが悪くなります。リンパ節郭清によってリンパの流れが悪くなり、むくむことをリンパ浮腫と言います。
リンパ浮腫は起こる人と起こらない人がいて、むくみ方も様々です。マッサージやストレッチなどを行うことにより、リンパの流れがよくなりむくみは軽減されます。
乳房再建とQOLの改善
乳がんの手術で乳房を失った患者さんの喪失感や悲しみは、乳房再建により解消されることもあります。
乳房再建は患者さんの希望で行われ、どのような症例でも再建は可能です。
人によっては、乳房再建により精神面の明るさを取り戻し、生活の質(QOL)が改善されます。
乳がんの定期検診
検診では、手に触れることのできないほど小さいしこりを発見することができます。自己検診だけでは乳がんを発見できないこともあるので、定期検診は重要です。
特に乳がんの発症のリスクが高い人は、自己検診を行うとともに積極的に定期検診を受けるようにしましょう。
代替医療
世界の多くの国で、西洋医学を補う医療として代替医療を導入ています。代替医療の種類は、漢方や針治療、、マッサージ、食事療法、音楽療法など数多くあります。
乳がんの治療にも代替医療は有効です。
食品の焦げとかびの危険性
食品の焦げや、かびは発癌性があり有害です。食品を焦がさないように調理を工夫し、またかびの繁殖条件などを知り、かびを繁殖させないように注意する必要があります。
体内に焦げやかびを入れないように十分気を付けましょう。
ホルモン療法の適正・不適正
ホルモン療法を行うにはさまざまな条件があり、患者さんがホルモン療法に適しているか、適していないかを見極める必要があります。
ホルモン療法は、ホルモン感受性乳がんに効果的です。